真っ暗な道を一台の車が走っていく。
運転するのはガイドの男性、前方は闇・・後ろもね。
(何やってんの私!!)
警報が鳴りまくりですよ。
人間だって恐いのに、この闇の奥には見えない何かがいるのよ。
車のライトが当たる範囲外は真っ黒な闇。
沈黙が重い。
耐えきれずに話しかけてみます。
「この島は猫が多いですね」
と言うと、すかさず
「昔は猫を食べた、鳩も食べた」
(この状況で、そんな話?)
うちは猫飼ってるんですけどお
まさに、手に汗握るだな!!!
なんて返せば良いの?
「この島には何も無いから」
・・ああ、そういう事かぁ
何となく・・・既視感がある、この感じ。
この男の人?
どこかで会ってない?
「もしかして、昼間。宿泊交流センターにいませんでした?」
そう言われると、あちらも怪訝そう。

「・・私が食事してる時に」
あちらも記憶の照合をしてる。
「ああ、カレー食べてた人?」
そうです、と即答の私
あの時、もう一つのテーブルで神様はいないって言い切ってた人だ。
島の人達が話してると思って見てたけど、あの人かぁ。
(あの人が、この人なら大丈夫だ)
現実世界への深く錨を下ろしてる人だ。
滅多な事は起こらない。
現実的な緊張は消えた。
残ったのは見えないものへの畏れのみ。
星を見るツアーには集中出来そう。
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