夜でもなく昼でもない時間の狭間で囁く物語
太陽が登る海の彼方に龍の国がありました
強い結界で守られ、龍とゆかりのある者でなければ近づくことも出来ません
が、ある時、その結界が敗れました
清流に濁流が流れ込むように影がしみこんでいきました
龍の松果体が、子宮が影に蝕まれていきます
このままでは龍としての形を保てなくなるでしょう
龍の国には3つの峰を頂く険しい山々がありました
その一番奥には大犬神が鎮座しています
山かと見まごうほどの大きく破邪の牙を持つ白い犬神です。
白い犬神は広がっていく影をじっと見つめていました。
ある月夜の晩、風がやみ無音が広がりました。
犬神は大きく息を吸い込み、吐き出しました。
吐き出された息は20の美しい光の玉となり、空間に静止しています。
20の光の珠はみるみるうちに犬の形象となりました
大犬神は待っていたかのように、静かに言いました
「行きなさい!」
その声を聴くや否や、一斉に20の光の玉は飛びちりました。
北は龍の脳下垂体、西の子宮も勿論
全てを網羅するポイントへと散っていきました。
夜は白み始めました
犬神は空気に溶け込むかのように姿を消しました。
静かな森林の中に小鳥のさえずりが響き渡っていきます。
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