薄暮に囁く物語17/資本主義

昼でもなく夜でもない、時間の間で語られる物語。

静かに囁くように秘密語りが始まります

 

月の美しい夜

打ち寄せる波の音が静寂の中に広がってゆきます。

波が引いた一瞬、地下への通路が開きました。

階段を降りながら見上げると既に波が打ち寄せ、通路は閉じられています。

月光が弾け飛ぶように波間にキラキラとがやいています。

 

たどり着いた空間には既に何人かの先客がいるようです。

室内は目を凝らせば物の輪郭がやっとわかるほどの明るさ。

 

人と思える存在もいれば、明らかに人とは形態が異なる存在もいるようです。

さあ、ここから会議が始まります。

「今夜の議題は資本主義」

塊のような影が言いました。

 

「是か?非か?」

さざ波が立つようなざわめきがいたるところで起きました。

「資本主義は必要だったのか?」

「交戦しか知らず、身内だけに寛容であった人が、曲がりなりにも平和を構築した。その功績は大きい」

「そうだ、経済は平和をもたらした」

 

「しかし、今ではその資本主義そのものが人を蝕んでいる」

「是か?否か?」

「経済活動は、対立ではなく中庸を作った。誰もが参加できる。」

「人類共通の価値観を作り上げた。」

「秘密も作った。」

「しかしなかったら、今でも見知らぬ者同士が出会ったら、殺し合っていたぞ」

 

「諸々意見が出たようだ、では聞こう。」

「答えられるものは答えよ」

「魂の成長はあったのか?」

 

そこにいたものは沈黙で返すしかありませんでした。

 

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ようこそ、いらっしゃいませ。あなたが来てくれてうれしいです 振り返ってみると幼い頃の記憶は幼稚園の入園式から、それ以前はあやふやです。小学生の頃の夢は宇宙飛行士、中学生の頃は漫画家。けど誰にも言えなくて、もっと現実的な美術系の学校に行くことにしました。 でも、大学受験コケました。合格圏にいたはずの4年生大学を面接で失敗、その年は補欠の繰り上がりも無く、あえなく短大へ。人生の厳しさを知った春でした。ショックだった。でも今思うと、それは必然だったと思う。だって、その短大に行かないと出会えないと言う人が未来で待っていたから。いわゆる前世の恋人。 前世をトレースするかのように恋をして、同じように破局しました。私としては成就させたかったのだけれど・・ ここでも、ショックでフリーズした私を見逃さなかったのが実の母。 失恋の痛手で自己愛も自尊心も遥かにゼロに近くなっていた私は母の言いなりに見合いをして結婚してしました。 そこからが魂の修行の日々、過酷だったあ。 結婚して7年間は本当の自分を箱に入れて、母の言いなり、お人形のような生活に甘んじました。 7年目の早春、はっと我に返って唖然としました。 嫌いなものを黙って受け入れた人生は、大嫌いなもので満ち溢れていました。ウンザリしました。乳飲み子を含む三人の子どもがいて、介護一歩手前の祖父母がいて、しがみついて話さない母親、好みじゃない夫。 ここから私がもともといた場所までは遥かに遠い、地の果てまで飛ばされたかのようです。 ここから自分を取り戻していく泥沼を歩くような人生が始まりました。 手始めに人生で初めて母に「NO!」と言い、ついでに夫にも「これ以上子どもは生まないから。」と言いました。 弱い、と思っていた存在が逆らうと、ハチの巣を突っついたような気分になるようで、二人からの風当たりは強くなりました。 それでも後戻りする気はないし、前進あるのみ、心理学を学び、精神世界へ足を踏み入れました。そのうち直観力も自然に身につき、良きメンターに巡り合いました。 今思えば敵と思っていた存在が一番のメンターだったかもしれない。彼らがいなくて、ただの幸せな人生だったら、ここまで来なかった。 今、使命を実行できるのも彼らのおかげです。この場を借りて「ありがとう」