昼でもなく夜でもない時間の狭間で囁かれる物語
太陽系第三惑星は自転と公転を繰り返しに宇宙の法則に準じていました
ここに降り立った<数の限られた人々>の文明は崩壊しかけていました
通路に血の匂いが漂う事もありました
滅亡の臨海点まで、あと僅かと思われる時
火が出ました
残った化学薬品に燃え移り、全てを舐めつくす大火となったのです
誰もが逃げて行く火事の最中
火をよけながら、ガラスケースに近づく一人の人物がいました
彼女です
彼女は大きなガラスケースの傍まで来ました
彼の体は失われ頭部のみが原生動物に繋がれてケースの中で生きていました.
瞼は閉じられ、もう眼差しを交わすこともありません
燃え盛る炎の中で、もう一つ人影が近づいてきます
両手に人体の一部を抱え、口元は血に染まっています
それは最高司令官の成れの果てでした
既に、自我は消えているようです
炎と煙の間から二人の女性は、互いを認めました
一人は獲物として相手を認識し、もう一人は敵として認識しています
狂人のようになった最高司令官が彼女につかみかかったその時に
彼の入った大きなガラスケースがはじけるように割れました
マウンティング態勢を取っていた最高司令官の全身にガラス片が突き刺さり絶命しました
彼女は司令官を盾にする形になり、軽傷で済みました
あたりを見渡すと彼が床に投げ出されていました
彼女は彼に駆け寄り、抱きかかえたい体は違う生き物、人間でさえありません
彼女の目に涙が溢れて・・・
大火は一晩で全てを炭に変えました
異星からの来訪者【数の限られた人々】がいた証を全て消したのです
生き残った人々とハイブリッド実験体は森に入っていきました
もう組織も義務もなく、その日を生き延びるだけ
長い時間が経って、この星に最初の文明を灯りをともすようになりました
昼でもなく夜でもない時間の狭間で語られたおとぎ話
遥かな宇宙の話です
コメントを残す