昼でもなく夜でもない時間の狭間でささやかれる物語
太陽系第三惑星、真っ暗闇の夜の時間、人工の明かりが灯るようになって、どのくらい経つでしょう?
数の限られた人々は生存を続けていました
原生動物との人体実験は、成功です
それなりの動物が施設の片隅で飼育されるようになりました
惑星に降り立ち、密閉空間ではなくなった施設では次第に統率が取りにくくなってきました
脱走を試みる者も現れ始めていました
絶対の権力が揺らぎ始めている
自身の立場が危うくなっていくのを感じる最高司令官は苛立っていました
鏡の前に立つと尚更苛立ちます
彼女の若さと美貌に陰りが見え始めて来たからです
惑星の酸素が合わないのか?
ハッキリとした原因もつかめないまま
秘密の食事の回数が増えました
彼女に食事を提供しているドクターは依存症の兆候に気づいました
(そろそろ政権交代の時期か・・)
思わず口角が上がります
科学者である彼女は、技術があるがゆえに命を長らえていました
毎日、彼の浮かぶガラスケースを眺めて仕事をしています
心が暗くならないわけがない
皆が彼女を憐れみ、そして自身の身の安泰にホッとしている
なんて事だ・・・
これが人生か?
暗黙の秘密が公然とありました
知っているけれど言葉にしてはならない何かです
#失われた惑星 #マルベック
#人類の合成 #新人類
コメントを残す