昼でもなく夜でもない、時間の間で語られる物語。
静かに囁くように秘密語りが始まります
月の美しい夜
打ち寄せる波の音が静寂の中に広がってゆきます。
波が引いた一瞬、地下への通路が開きました。
階段を降りながら見上げると既に波が打ち寄せ、通路は閉じられています。
月光が弾け飛ぶように波間にキラキラとがやいています。
たどり着いた空間には既に何人かの先客がいるようです。
室内は目を凝らせば物の輪郭がやっとわかるほどの明るさ。
人と思える存在もいれば、明らかに人とは形態が異なる存在もいるようです。
さあ、ここから会議が始まります。
「今夜の議題は資本主義」
塊のような影が言いました。
「是か?非か?」
さざ波が立つようなざわめきがいたるところで起きました。
「資本主義は必要だったのか?」
「交戦しか知らず、身内だけに寛容であった人が、曲がりなりにも平和を構築した。その功績は大きい」
「そうだ、経済は平和をもたらした」
「しかし、今ではその資本主義そのものが人を蝕んでいる」
「是か?否か?」
「経済活動は、対立ではなく中庸を作った。誰もが参加できる。」
「人類共通の価値観を作り上げた。」
「秘密も作った。」
「しかしなかったら、今でも見知らぬ者同士が出会ったら、殺し合っていたぞ」
「諸々意見が出たようだ、では聞こう。」
「答えられるものは答えよ」
「魂の成長はあったのか?」
そこにいたものは沈黙で返すしかありませんでした。
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