昼でもなく夜でもない刻の間で語り伝えられる物語
ライオンズゲートが開き、満月が静かに輝きます。
ピタピタと湿った足音がしてカエルのお迎えが来ました。

手にはホウズキの提灯を持っています。
オレンジ色の光に導かれ地下への道を辿ります。
いつしかオレンジ色の灯りは2つ、3つと増えていき一本の道を浮かび上がらせます。
その道の果てにはひときわ大きなオレンジ色の灯りが輝いています。

大きな灯りのもとにたどり着くと一人の青年が待っていました。
長い衣を纏って品の良い所作をします
「どうぞこちらへ」
促されて先へ進むと大きな炉がありました。
遠目に見えたオレンジ色の灯りはこれだったようです。
青年は炉の中を覗き込むと、
「この通り火の準備は出来ています」
にっこり微笑んで言います。
そして、次を指し示します。
大広間の中心の辺りの床が抜けていて熱風が吹き上げ、メラメラと炎が立ち上っています。

案内の青年はクククッと笑いをこらえて言います。
「今はここまでです。」
そう言うと帰りの途が示され、またカエルさんの案内で地上を目指すのです。
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