昼でもなく夜でもない刻の間に語るお話です。
日本列島の地下深く、さらに深い地底。
深い崖があります。
崖はどこまで深く地底へと続いています。
崖の側面はキノコ畑です。
この畑が豊穣か否かが地上の豊作を左右します。
雪だるまの様な小さな大地の精霊が、嬉しそうにその茸の世話をしています。
でも、今日は半べそをかいています。
「白いキノコのそばに、黒いキノコを植えないで!
地上の食べ物が、違うものになってしまう。
もうやめて!」
白一面の畑がところどころ黒い斑になっています。
しかも、黒い斑は見る間に形を変え、とても速いスピードで増えているようです。

白いキノコを守ろうと雪だるまたちが一生懸命働いていますが、追いつきません。
こちらの黒キノコを取っている間にあちらで増える。
雪だるまはへとへとです。
雪だるまが白い茸の世話をするように黒いキノコにも、世話係がいました。
黒い巨体のカマキリのような精霊です。
カマキリは雪だるまより圧倒的に強いのです。
束になって向かって行っても勝てません。
「このままでは、地上の食べ物もなくなってしまう」
成す術もなくなり、雪だるまたちは号泣はじめました。
地底のさらに深いプレートの奥に蠢くものがいます。
そこのあなた、グーパンチで地面をおもいっきり殴ってください。
はい、やって。
そう、上手い!
地殻にヒビが入り、亀裂ができて、地面が割れていきます。

そしたら出てきた、出てきた。
さらに深い地底に閉じ込められていた存在が上がってきました。
巨大です。
見た感じゾウリムシによく似ています。
脳があるのか、定かではありません。
体側の繊毛が活発に動き始めました。
まるで美味しそうな匂いを嗅ぎ分けたかのようです。
ウニョウニョと茸畑を移動して、あの黒い茸にかぶりつきました。
食べ続けます。
大好物のようです。
食べたら、それなりのものがでますよね。
それが畑の中にパラパラと(笑)
しかも白いキノコと相性が良いようです。
キノコの艶が良くなっていきます。

一方黒いキノコには相性最悪。
黒いキノコは次々に萎み、黒いカマキリも悶絶です。
雪だるまは大喜びです
(これで地上にも美味しいものを届けられる)
白いキノコは今では薄っすらと光り始めています。
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