薄暮の向こうに広がる虚無の世界。
龍の背に乗って、雲の波を越えて行く。
無限の空間に浮かぶ一つの門。
それを越える。
浮かび上がる小さな黒い天体
降下していく。
抵抗は一切ない。
ガラスのケースの中で女性が眠っている。
ガラスをたたき割り、女性を救い出す。
彼女は長い間捕らわれていた自由を奪われ、理性も知性も奪われた。
彼女に残ったのは怒りと言う激しく原始的な感情のみ。
覚醒した彼女は本能のままに怒る。
激しい怒りが火山弾となって周囲に飛んでいく。
怒りの炎は、周囲を焼き尽くす。
マグマが大地を次々と、焼いていく。
彼女の怒りのマグマが飛び火したところは、全て黒煙をあげた。
植物も空気も、大地も焼けてしまった。
広がる焼き尽くされた世界。
焦土と化した大地
黒こげの大地から、
岩の隙間から、
樹木の躯から
小さな芽が、次々に生えてくる。
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