網膜前膜+白内障 / 退院直後の生活と心情

網膜前膜+白内障、その術後の暮らしはエッセイ風にまとめると以下のような感じですかね?

普通に暮らしていたつもりでしたが、

言葉に出来ない、するのも怖いような気持ちを抱えていました。

今だから、言えるけどみたいな・・・

 

全てがゼロに戻ったかのように、空っぽな一日

家の中は寒々しい。

陰の気配がそぞろにある。

初冬だもの、仕方ないわ、だけど・・・

出来る事も無く、とりあえず起きて身支度を整える。

とりあえず、自分で食事を作れる、身の回りの事が出来るのは、良い。

義務づけられた点眼薬は4種類

4種類を組み合わせ、一日計6回の点眼が必要。

麻の7時に始まり、夜の七時に終わる。

一日は点眼のためにあるかのよう

 

人のためが、自分のためとなって返って来る(作り置きの食材)

2週間の入院用に作り置いた食材の恩恵を、我が身が受け取る。(苦笑い)

解凍したり、簡単に焼いたり準備してあると意外と楽。

家の中には弱弱しい光。

気分転換に外に行くけれども、太陽光の眩しさに目がくらむ。

(とてもじゃないけれど歩けない。)

眩しい。

我は物の怪か?

日傘にサングラス、そして建物やら樹やら影を探して歩く。

現代に吸血鬼がいたらきっとこんな感じだろう。

 

術後は見るもの全てに気が滅入る

手術した目は雑菌が入らない様にようにと要注意を受け

洗顔は出来ない、埃が入らないように神経を尖らせる。

もしも、感染症を引き起こすと光を失う・・それは怖い。

左目だけで視野を確認すると呆然とする・・。

大体の輪郭は解るけれど、細かいディティールはぐしゃぐしゃになって見えない。

ボールペンでぐしゃぐしゃに線を引いて、消してしまった時のよう。

鏡に顔を映せば、真っ赤に充血した眼球としわくちゃのまぶた。

鏡の中に、不安と恐れが形をとって存在する。

これが見えるようになるのか?

「神のみぞ知る」

と、医者は言う。

心の隙間に魔が入り込む

平素離れて暮らしている娘が、私を心配して退院に合わせて来てくれた。

家事を娘に全部任せてしまうと、やる事が無い。

焦点を合わせるのも難しいような状態なので、出来る事も少ない。

当然の様に椅子に座っているだけで一日が過ぎて行く。

おかしなもので、やる事が無いと人間意識が暗くなっていく。

出来る事があるって事は、健康に生きるために必要なんだ。としみじみ思う。

とんでもない詐欺に引っかかって、取り返しのつかない事をしたのか?

疑心暗鬼が心に過る。

『お前は騙されたんだ』

(そうなのだろうか・・・?)

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ようこそ、いらっしゃいませ。あなたが来てくれてうれしいです 振り返ってみると幼い頃の記憶は幼稚園の入園式から、それ以前はあやふやです。小学生の頃の夢は宇宙飛行士、中学生の頃は漫画家。けど誰にも言えなくて、もっと現実的な美術系の学校に行くことにしました。 でも、大学受験コケました。合格圏にいたはずの4年生大学を面接で失敗、その年は補欠の繰り上がりも無く、あえなく短大へ。人生の厳しさを知った春でした。ショックだった。でも今思うと、それは必然だったと思う。だって、その短大に行かないと出会えないと言う人が未来で待っていたから。いわゆる前世の恋人。 前世をトレースするかのように恋をして、同じように破局しました。私としては成就させたかったのだけれど・・ ここでも、ショックでフリーズした私を見逃さなかったのが実の母。 失恋の痛手で自己愛も自尊心も遥かにゼロに近くなっていた私は母の言いなりに見合いをして結婚してしました。 そこからが魂の修行の日々、過酷だったあ。 結婚して7年間は本当の自分を箱に入れて、母の言いなり、お人形のような生活に甘んじました。 7年目の早春、はっと我に返って唖然としました。 嫌いなものを黙って受け入れた人生は、大嫌いなもので満ち溢れていました。ウンザリしました。乳飲み子を含む三人の子どもがいて、介護一歩手前の祖父母がいて、しがみついて話さない母親、好みじゃない夫。 ここから私がもともといた場所までは遥かに遠い、地の果てまで飛ばされたかのようです。 ここから自分を取り戻していく泥沼を歩くような人生が始まりました。 手始めに人生で初めて母に「NO!」と言い、ついでに夫にも「これ以上子どもは生まないから。」と言いました。 弱い、と思っていた存在が逆らうと、ハチの巣を突っついたような気分になるようで、二人からの風当たりは強くなりました。 それでも後戻りする気はないし、前進あるのみ、心理学を学び、精神世界へ足を踏み入れました。そのうち直観力も自然に身につき、良きメンターに巡り合いました。 今思えば敵と思っていた存在が一番のメンターだったかもしれない。彼らがいなくて、ただの幸せな人生だったら、ここまで来なかった。 今、使命を実行できるのも彼らのおかげです。この場を借りて「ありがとう」